組織においてコミュニケーションが不足している場合、次のような悪影響が発生します。
・優秀な人材が人間関係の問題でやめていく
・部署全体に活気がなく、目の前の仕事をこなすだけになってる
・上司のアドバイスを叱責と受け取る社員がいる
・自発的に考えて仕事に取り組む社員が育たない
・発言を求めても無難な内容しかいわない
・上司の陰口を部下同士で言い合っている
コミュニケーションとは、自分以外の人との関わり方です。
言い換えると、他人との関わり方です。
要するに、他人と双方向で意思疎通をすることです。
だから、上手くいかないことが多いのです。
本記事を最後まで読んで頂ければ、コミュニケーションの対策について理解できます!
改善に向けて本記事を読んでいただけたら幸いです。
1.ふつうのコミュニケーションとビジネスコミュニケーションの違い!
1-1.上下関係が存在するコミュニケーション
1-2.受け手が中心のコミュニケーション
1-3.要求を含むコミュニケーション
ふつうのコミュニケーションは同意・合意・利害の下で信頼を構築すること
ビジネスコミュニケーションは異なる立場の人々の意見を合意へ導くこと
ふつうのコミュニケーションとは、短所も長所も臆することなく堂々と晒すことです。
社会を知らない若い時期は、「親族・友人・知人等」のコミュニケーションしかないわけです。
社会に出て仕事をするようになれば、「ビジネス上のコミュニケーション」がいやでも必要になるわけです。
ふつうのコミュニケーションができる人には、仕事以外にもプライベートな会話もしますし、つっこんでみたりちょっとしたおフザけもします。加えて、ちょっとダメな自分を見せれたりします。
ビジネスコミュニケーションとは
一言で言えば成果を上げることを目的にしたコミュニケーションです。
例えば、ある会社で「コミュニケーション力向上」の研修が行われていました。研修の目的は、新人に手っ取り早く、
「社会人のコミュニケーション力」をつけることにあります。
「社会人のコミュニケーション」が「学生のコミュニケーション」と本質的に異なる点は何か?
研修では、次の3つに集約しています。
1-1.上下関係が存在するコミュニケーション
学生同士のコミュニケーションは対等な関係であることが多いです。だが、会社においては上下関係に基づくコミュニケーションが基本です。
たとえば、上司と自分、顧客と自分などです。
1-2.受け手が中心のコミュニケーション
学生同士のコミュニケーションは基本的に、発信者が主であり、受けては従です。
つまり、「自分が言いたいことを言い、話が合えばコミュニケーションが成立。合わなければ友人にならなければいい」というコミュニケーションです。
しかし、会社においてはそうはいかない。相手が誰であろうと、受け手に合わせるコミュニケーション、
すなわち
受け手が中心のコミュニケーションの技術が必要とされます。
1-3.要求を含むコミュニケーション
学生同士のコミュニケーションは、相手に対する要求を含まずともいいです。要するに、人間関係を円滑にしさえすればいいのです。
しかし、社会人のコミュニケーションはそれだけでは足らないです。
それは、「相手に何らかの行動を起こしてもらうこと」を暗黙的に含みます。
「もっとやる気を出してほしい」「すぐに取り掛かってほしい」「状況を報告してほしい」といった
要求を常に含むのが、社会人のコミュニケーションです。
ビジネスで接する相手を、友人のように選んでは仕事にならないです。家族のように、近づき過ぎても、相手を不快にさせてしまうこともあります。
相手と好き嫌いの感情で接することは、ビジネスコミュニケーションとしてはタブーなのです。
限られた時間の中で仕事を進め、結果を出すため、それぞれの役割と意図を持っています。
プライベートでは許される曖昧さや甘えは、それを阻害してしまうのです。
厳しいと思われるでしょうか?そっけなさや無機質が感じられるでしょうか?
ビジネスでは、関わる人たちの仕事の目的を果たすために、最上級の心遣いが求められます。
仕事を進め、結果に繋げ、利益を出すのは、関わる人みんなで成長し、繁栄を共有するためです。
良いビジネスコミュニケーションとは、この共通の目的を果たすための意思疎通と言えます。
2.ビジネスコミュニケーションの基本!
自分と違う人を理解しようとする姿勢をもつ
これが基本です。これを抑えて仕事に励んでください!!
「限られた人としかコミュニケーションがうまくいかない」という場合には、自分とは違う考え方の人を理解しようとする姿勢がかけてるかもしれないです。
自分と似た考えや境遇を持つ人とは、話しやすいものです。
共感できることが多いため、特に考えずに発した言葉でも「そうそう、わかる」という反応が返ってきます。
しかし、自分とは異なるタイプの人と話す時にはそうはいかないです。
共感できることがそもそも少ないため、共感を呼ぶような話し方ではうまくいかないのです。
自分とは異なるタイプの人と話す際には、共感ではなく理解をベースに話しをすることです。
・共感:感覚や考えが同じだからわかる
・理解:感覚や考えは違うけど論理はわかる
イメージとしては、共感は「それすごくわかる。同じ状況なら私もそう思う」、
理解は「同じ状況でも私はそう思わないけど、そんなふうに感じる人もいるんだ」という感じです。
自分とは違う人は「どんな考えで行動を起こし、どんなことにどう感じるのか」を会話の中で質問しながら探ってみることです
共感はできなくても理解しようとする姿勢があれば、一緒に会話を楽しめます。
うまく話ができる人とできない人がいるのはある程度、仕方のないことですが、
ビジネスシーンでは誰とでも話ができる人が有利です。
ぜひ理解をベースにした話し方をマスターしてみて欲しいです。
3.ビジネスコミュニケーションのスキルを紹介します!
3.ビジネスコミュニケーションですぐに使える4つのテクニック
3.アサーションとは?
①自身を表現できる
②相手を大切にできる
社員のエンゲージメント(深いつながりを持った関係)向上のために必要不可欠なコミュニケーションの中で、近年注目を浴びている相互理解を深めるアサーションについて説明します。
アサーションとは英語の「assertion(自己主張)」からきており、アメリカで提唱された
「相手も自分も大切にする自己表現コミュニケーションスキル」です。
アサーションを身につけることで多くのメリットがありますが、自分・相手で2つのメリットを紹介します。
①.自身を表現できる
アサーションは双方の考え方を尊重し、異なる意見であっても歩み寄って物事を進めるコミュニケーションです。これまで会社の中では一方的な上意下達のコミュニケーションが多く見られ、自分の意見を言うことを諦めて我慢してきた人も多いと思います。
アサーションを学ぶことで言いたいことが言えない、相手に遠慮してしまうといったコミュニケーションに変化が起き、ストレス軽減に繋がります。
②.相手を大切にできる
相手が一方的なコミュニケーションをとる人でも、その人がコミュニケーションをとるに至った背景を理解し、寄り添うことは重要です。
特にビジネスにおいては、目的が同じでも異なる意見に至るまでの情報量や思考の仕方が人によって違うことは多いのではないでしょうか?そこで、人はそれぞれ違う考え方を持っているという前提を理解することで、その後のコミュニケーションのとり方やアウトプットの仕方は大きく変わってきます。
相手を大切にすることが、結果として自身のパフォーマンス向上にもつながるのです。
では、アサーションのトレーニング方法を紹介します。
3-1.DESC法
DESC法とは、相手を不快にすることなく自分の言いたいことを伝え、納得感を持たせる会話技法のことです。
英語の「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」
の頭文字を取った言葉で、アメリカの心理学者ゴードン・バウラーらによって提唱されてます。
DESC法では、
順に会話を展開し納得性の高い結果を導いていきます。DESC法は、ビジネスにおいて有利に働くアサーションスキルの1つになり、相手を思いやりながら自分の意見を伝えるコミュニケーション方法です。
DESC法は、アサーションスキルを体系的に体系的にまとめ4つのステップに分解したものです。
「Describe(描写する)」「Express(説明する)」「Suggest(提案する)」「Choose(選択する)」の4つのステップで会話を進めることで、有効な意思伝達を行い相手を納得させていきます。
次に、この4つのステップについて説明していきます。
1.4つのDESC法のステップを紹介します。
①Describe(描写する)
事実のみを相手に伝えることで、自分の感情で話を進めることがないように意識することです。
解決しようとしている課題に対して、現状の状態や相手の行動を客観的に描写した上で事実のみを相手に伝えます。あくまで、事実のみを伝えることが大切なため、自分の感情を入れたり推測で話を進めることがないように意識しておく必要があります。推測などが入れば、正しい情報を相手には伝えきれないというデメリットを生じさせるため注意が必要です。
②Express(説明する)
1.①を意識しながら、自分の気持ちを表現し相手に伝えることです。
Describe(描写する)した内容に対する自分の意見や感じていることを伝えます。ここで伝えることは、あくまで自分の気持ちや感情を率直に表現していくことが大切です。ただし、感情を押し付けすぎることで、事実と論点がずれてしまったり攻撃的にならないことに注意が必要です
③Suggest(提案する)
課題に対して、対応してもらいたいことを具体的に伝えます。
課題を解決するためのアイデアや代替案などを提案し、相手に承諾して欲しいこと、対応してもらいたいことを具体的に伝えます。あくまで提案なので、命令や強制にならないようにする必要があります。
④Choose(選択する)
対応の合否で、再度、提案することも必要です。
相手がこちらの提案を受け入れた場合と受け入れなかった場合、それぞれに対して結果や選択肢を示します。提案が全て受け入れられるとは限らないことに注意が必要な場面になります。また、そうした場合でも、より良い提案ができるように再度、Suggest(提案する)を実施することも必要です。
3-2.PREP法とは
3-1.伝えたいことのテーマを明確にしておく
3-2.結論から話す
3-3.相手に共感する
3-4.バックトラッキングを使う
3-5.答えやすい質問をする
1.伝えたいことのテーマを明確にしておく
会議の冒頭や話し始めたばかりのタイミングで、あらかじめ伝えたいことのテーマを提示しておく方法があります。テーマを決めておけば、
・「何を言いたいのかよくわからない」
・「結局何を指示されたのか読めなかった」
などモヤモヤすることがありません。
また、最初に「5分程度で」とコミュニケーションの長さをイメージさせるなど、先の見通しを立てさせておくのもおすすめです。
2.結論から話す
結論から先に話すことも、伝えるスキルの向上に役立ちます。特に「PPER法」を使い、
P=Point(結論)
↓
R=Reason(理由)
↓
E=Example(事例、具体的)
↓
P=Point(結論を繰り返す)
この順で話すことを意識してみることです。
物事を順序立てて話すトレーニングにもなるので、プレゼンテーションの練習としても効果的です。
理論立てられるからこそ短時間でも効果的なコミュニケーションができ、受け取り方にくいちがった言葉が出ることもありません。
3.相手に共感する
ビジネスコミュニケーションの基本でも記述したことですが、
聞く力を伸ばすには、相手に共感する姿勢を見せることが大切です。
「傾聴力」につながる部分でもあり、意見をむやずに否定せず、まずは受け取ることから始めましょう。
万が一相手の話が圧倒的に間違っているものであり、意見を正すために否定しなくてはいけないシーンであっても、
そう思った理由や背景の部分は否定しないようにするのが大切です。
また、正直に話してくれた姿勢に感謝するなど、根柢の信頼関係を構築するよう意識することです。
4.バックトラッキングを使う
バックトラッキングとはいわゆる「オウム返し」のことであり、相手の発言をそのまま繰り返す手法です。
「自分はあなたの話をしっかり聞いています」という姿勢を示すことができるので、不自然にならない程度に交えていくとよいでしょう。
例えば、電話応対で相手が商品を注文をされた際に、同じ注文を自身が繰り返すことで、相手に安心感を持っていただくこと等です。
また、相手のしぐさを真似るミラーリングを活用し、波長やトーンを合わせるのも効果的です。
似たような人にこそ自分の意見は理解されやすいはず、という先入観をうまく活用できるので、試してみる事です。
例えば、お客様の会社で、雑談の席にコーヒー等を用意していただいた時、お客様と一緒のタイミングでコーヒーを飲むことで、親近感を持っていただくことが挙げられます。
5.答えやすい質問をする
答えやすい質問を繰り返し、相互コミュニケーションを図る方法もあります。例えば「イエス」もしくは「ノー」の2択で答えられる質問であれば、回答者の知識や経験を問わず気軽に答えられます。また、明らかに分かっていることを質問し、合っていれば褒めることを繰り返していけば、コミュニケーションに自信を持たせることもできるでしょう。
3-3.5W1Hとは?
5W1Hとは、
「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「Wha(なにを)t」「Why(なぜ)」「How(どのように)」
の英単語の頭文字をとった言葉で、情報をこの要素で整理することで、正確に伝わりやすくするというフレームワークです。
5W1Hを意識してコミュニケーションに臨むことで、次のようなメリットが得られます。
情報を過不足なく伝えられる
5W1Hを活用することで情報を過不足なく伝えられ、目的や課題、方法などの情報を共有することができます。情報を伝える相手との間に認識のズレができにくいため、何度も情報を確認し合うストレスも軽減できるでしょう。円滑なコミュニケーションにより業務がスムーズに運ぶなど、ビジネスシーンでのメリットには大きいものがあります。
次に紹介するスキルについて理解してもらう為の前提を記載させて頂きます。
アサーションとアサーティブは、意味はほぼ同じですが、アサーションは名詞、アサーティブは形容詞という違いがあります。また、アサーションはコミュニケーションスキルや方法を説明する際に使用されるのに対し、アサーティブはアサーションを実践している人の性格を表す際に用いられます。
3-4.アサーティブとは?
アサーティブ(assertive)とは、「自己主張すること」という意味です。ただし、ここでいう自己主張とは、自分の主張を一方的に述べることではなく、相手を尊重しながら適切な方法で自己主張を行うことを指します。つまり
お互いを尊重しながら意見を交わすコミュニケーションのことです
これは、アサーティブの4つの柱である「誠実」「率直」「対等」「自己責任」に基づくコミュニケーションを取れるようにするためのトレーニングです。
人が自分の性格を変えることは簡単なことではありません。しかし行動を改めることはできます。アサーティブ・コミュニケーションを通して、普段何気なく行っているコミュニケーションの取り方を改めれば、円滑な意思の疎通ができるようになります。
仕事を断れずに抱え込んでしまったり、体調を崩してしまったりする社員も多いといわれています。
アサーティブを身に付けることにより、自分の現状を率直に伝えたり、必要なときは助けを求めたりすることができるようになります。
また、年齢や性別にかかわらず、お互い対等なコミュニケーションを取れるようになり、コミュニケーションの活性化を期待できるメリットの1つです。
上司と部下などの関係に縛られず、活発に意見交換ができるようになることで、
業務上のやり取りもスムーズになることが期待できます。
アサーティブのトレーニング方法もまたDESC法が有効です。
4.まとめ
日本の話者は直接的表現よりも婉曲的表現や「オブラートで包んだ言い方」を好む傾向があると言われています。
「本音と建て前」というのもあるので、言われた通り、文字通り鵜呑みにすることができないのが難しいところです。
しかし、会社で働く事にあたって、
・アサーションとは?
・PREP法とは?
・5W1Hとは?
・アサーティブとは?
4つのビジネスコミュニケーションのスキルを紹介させて頂きました。これは会社に勤めるにあたって重要なファクターです。
そして、改めて記載させて頂きます。自分と違う人を理解しようとする姿勢をもつということだけでも頭の片隅に置いといてもらいたいです。
私自身も今回の記事を作成することで勉強になりました。現場で実践するのには、トレーニングが必要です。簡単に記事にして情報を発信していますが、実践するとなると不安がよぎると思います。
しかし、紹介したトレーニングは仕事の第一線で使われている方法だと思います。
トレーニングの方法を知らなければどのように対策・改善していいのかわからないと思います。
今回の紹介で会社でのコミュニケーションが円滑になるよう願っております。
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